心拍を確認していたからこそ感じた大きな喪失感、そして「またか」と押し寄せる不安や後悔。
それでも、先生の優しい言葉や、息子の存在に何度も救われました。
同じような経験をしている誰かの気持ちが、少しでも軽くなることを願って──私の体験を綴ります。
はじめに
妊娠や流産の話は、とてもデリケートなものだと思います。
それでも、自分自身の経験を通して、同じような思いをしている人の心に少しでも寄り添えたらと思い、この記事を書くことにしました。
複数回流産を経験したことは私にとって心にも身体にも大きなダメージを負う結果になりましたが、同時に命の尊さを改めて考えるきっかけにもなりました。
今回の妊娠がわかった時のこと
前回の流産から2回生理を見送り、診察で先生から妊活再開可能との話があったため、またゆるく妊活をしようと思っていました。
3月に実母と息子の3人でディズニーランドに行く辺りで丁度生理予定日となっていたため、念の為生理用品を持参して行きましたが来る気配はなく。。。
「おかしいな」と思い、妊娠検査薬を試したところ、まさかの陽性反応でした。
間を置かず4回目の妊娠。。。これには私だけでなく、主人も大変驚いて2人でとても喜びました。
が、同時に前回の流産のこともあり、「今回ももしだめだったらどうしよう。。。流産じゃなくても子宮外妊娠とかだったら辛いな。。。」と言った不安も一気に押し寄せて来ました。
主人に励まされつつ、初診日までは気が気ではありませんでした。
初診の様子
初診日は3月下旬頃でした。
平日に病院の予約を取ったため、子供を幼稚園に送ったあと一人で待合室で順番が来るのを待っていました。
呼ばれるまでの時間は何度経験してもドキドキして落ち着かないものです。
漸く呼ばれ、診察室に入ると最終生理がいつから始まったか、妊娠検査薬の検査はいつしたのか簡単な質問が先生からありました。
「では、赤ちゃんの様子を確認させてくださいね。」
と言われ、内診台の上がりました。
いました、ちゃんと子宮の中にいたので正常妊娠ではありました。
小さな胎芽と卵黄嚢も見えましたが、まだ赤ちゃんが小さすぎたため、この時は心拍の確認ができませんでした。
「最終生理から見ても排卵が少し遅れた程度の成長と思われるから今のところは順調と考えて大丈夫です。次は2週間後に心拍確認をさせてもらいます。もし、前回の流産のことが気になっているようであれば1週間後に来てもらっても大丈夫だからね。」
先生に言われ、少しホッとしたのと同時に2週間待たずに診てくれる選択肢も用意していただけたことがとても嬉しかったです。
この時は1週間後の予約を取り、帰宅しました。
出血もなく、つわりは眠気と胸の張りを感じる程度でした。
2度目の受診
1週間後、再び産婦人科を受診しました。
今回も平日だったため、一人で病院へ行きました。
診察室に呼ばれて内診台に上がり、赤ちゃんの様子を診てもらいました。
前回よりも大きくなった胎嚢、そして胎芽。
心音自体はまだ確認できませんでしたが、組織が規則的にヒクヒクと動いている箇所があり、
「まだ断定はできないけど、これが心臓かな。」
とエコーで教えてもらえました。
この時、特に出血もなく順調だったためまた1週間後の予約を取りました。
出血からの緊急受診
2度目の診察から数日後、トイレットペーパーや下着に血が付着していることに気が付きました。
途端に前回の流産の時のことを思い出し、一気に不安が押し寄せました。
病院に現状を電話で伝え、来てくださいとの指示だったため準備して向かいました。
診察室で先生が出血の具合を軽く問診した後、内診台に上がりました。
私の不安とは裏腹に数日前より更に大きくなった胎芽を確認、更に心拍まで確認できました。
「心臓、しっかり動いていますね。」
そう言っていただき、一安心しました。
ただ、出血があることに関しては妊娠初期では安静にする以外どうしようもなく、次の診察まで様子を見るしかありませんでした。
先生に母健カードを書いてもらい、3週間ほど仕事を休んで自宅安静で様子を見ることにしました。
増える出血→3度目の流産の診断
しかし、この日を堺にいくら安静に過ごしても出血は治まらず、むしろ増える一方でした。
お腹の鈍い痛みも感じる様になり、「あぁ、今回もだめなんだろうな」とここで悟りました。
主人にも覚悟して置いてほしいと伝えました。
出血の量もナプキンがないと過ごせないほどの量に増え、最終的には夜用のナプキンが数時間経たないうちにいっぱいになってしまうほどの量になりました。
この辺りから貧血気味だったのかもしれません。
起き上がってもふらふらして身体が冷たく感じる。。。流石に夜用ナプキンがいっぱいになるような出血が2日続いたので病院に流産の可能性も踏まえつつ電話で連絡・相談し、受診の運びとなりました。
主人も仕事を休んで一緒について来てくれたのが救いでした。
診察に呼ばれ、すぐに内診台で診察してもらいましたが、赤ちゃんの姿は見えなくなっていました。
「進行流産」との診断結果でした。
たった数日前まで心臓を元気に動かしていたのに。。。何がいけなかったのか、混乱と悲しみで感情がぐちゃぐちゃになる中、泣きながら先生の話を聞きました。
主人に背中を擦られ、看護師さんがティッシュを差し出して同じ様に背中を擦ってくれたことはいまでもよく覚えています。
繰り返す流産で心も身体もボロボロに
2度目、3度目の流産はいずれも妊娠6週〜8週の初期段階でのことでした。
どちらも少量の出血から始まり、次第に出血量が増え、流産という結果になりました。
安静にしていても、もうこの小さな命を守ることはできないのだろう。
お腹の痛みはまるで陣痛のように規則的で、身体が必死に排出しようとしているのを感じました。
頭では「自然淘汰」だと理解していても、心は諦めきれず、気持ちはぐちゃぐちゃでした。
さらに、2度目も3度目も一度は「心拍確認」ができていたことが、心へのダメージを大きくしていました。
「心拍が確認できれば流産の確率はぐっと下がる。」
そんな情報をどこかで聞いていたからこそ、希望を持った分だけ、失ったときの衝撃も大きかったです。
「一度流産した後に、さらに連続で流産する確率は高くない。」
そんな言葉もまた、私の心に重くのしかかりました。
次第に、「私の身体は妊娠出産には向いていないのではないか。」という思いに支配されるようになっていきました。
完全流産後も、息子の幼稚園の送り迎えだけで息切れし、ふらふらになるほどの体力低下。
第2子を望む気持ちは消えていなかったけれど、次もまた同じことが起こったらと思うと怖く、「手術せずに済んだとはいえ、何回もこんなに辛い思いをするのは懲り懲りだ。」
そんな気持ちが心の中で交錯していました。
優しい先生の言葉に救われた診察日
流産の診断から1週間後、経過観察のために再び産婦人科を受診しました。
この日は、初めて診てもらう女医さんが担当でした。
診察室に入ると、カルテを一通り確認した先生は、「今回は大変だったね」と、まず私に優しく声をかけてくれました。
それだけで張り詰めていた気持ちが、少しほっとしたのを覚えています。
体調についても詳しく聞いてくれ、仕事の休みを延長する必要がないかなど、こちらの生活にも配慮した言葉をかけてくれました。
内診では「子宮の中はきれいになっている」とのことで、手術の必要がないことがわかり、そこは本当に安心しました。
診察後、先生から流産について改めて話がありました。
「初期(〜10週まで)の流産は9割が染色体異常によるもの。どんなに安静にしていても、受精卵の段階で運命は決まってしまっている。だからお母さんは悪くないんだよ。」
そう言ってもらえたことで、自分を責める気持ちが少し和らぎました。
また、少し気になっていた不育症についても相談しました。
先生からは、「一度出産できているので、今すぐ不育症の検査を受ける必要はないと思う。
でも、もし次に妊娠しても初期流産になってしまったらその時は検査を考えましょう」と丁寧に説明を受けました。
ただ診察をするだけでなく、気持ちに寄り添ってくれる先生の言葉に傷ついていた心が少しずつ救われた気がしました。
まとめ
今回、2度目・3度目と続けて流産を経験して心も身体も限界を感じるほど辛い思いをしました。
「私の身体は妊娠・出産には向いていないのかもしれない」
そんな風に思い詰めてしまうこともありました。
それでも、診察の中で先生が「お母さんは悪くない」と優しく伝えてくれたことで、少しだけ心が軽くなった自分がいました。
そして何より、息子の存在が私を支えてくれました。
お腹に赤ちゃんがいると伝えたとき、エコー写真を見て「かわいい〜♡」と言ってくれたこと。
出血で安静が必要だったとき、私を気遣ってくれたこと。
そして流産を伝えたあとも、いつも通りの笑顔でいてくれたこと。
彼の存在があったからこそ、私は前を向こうと思えました。
妊娠・出産は本当に奇跡の積み重ね。
改めてその尊さを噛みしめながら、これからも家族と共に一歩一歩進んでいきたいと思います。
この記事が、同じように悩んだり苦しんだりしている誰かの小さな支えになれたら嬉しいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
2度目の流産を経験した時の気持ちや出来事もブログに記録しています。
よければこちらもご覧ください。
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